田中みな実 映画「ゴジラvsコング」吹き替えのネットでの酷評を語る。

2021年7月24日放送、TBSラジオ「ガスワンプレゼンツ 田中みな実 あったかタイム」にて、田中みな実が映画「ゴジラvsコング」吹き替えのネットでの酷評を語っていた。

田中みな実:この間、私、映画版「ゴジラ(vsコング)」の吹き替えをやらしてもらったんです。本当にちょこっとの役だったんです。久しぶりに・・・吹き替えの仕事が終わってから「あー、楽しかった!」って思ったんです。

中野信子(脳科学者):おーっ!アナウンサーだし、向いてるよねー。

田中:声を使うお仕事・・・しかも自分という人間を一回全部取り除いて上でできるお仕事・・・で、監督さんも細部に渡ってこだわられる方なんだけども、それが声だけで表現できるから向こうが意図してることを表現しやすいなとも思った。

中野:うん、素晴らしい。

田中:お芝居の仕事は毎回なんとなく手探りでやっていて「これでよかったのかな?これ正解だったのかな?」って思いながら、あまり達成感が得られないものもやっていたんだけど。久しぶりに達成感のある仕事をしたなと思ったわけです。このラジオの収録で、私、結構色んなこと話すんですけど「すごい楽しかったの!」とかって意気揚々と報告もしてたんですね。

中野:はい。

田中:で、舞台挨拶があって。それにも1個出させてもられるということで・・・結構楽しみにして行ったんです。で、私は試写で見ていたので自分の仕上がりも見ていたし、作品全体も見ていて。「あ、別に悪くない」って思ったんです。で、新しいマネージャーの子とかは「田中さんってどこで出てたんですか?」みたいな。それぐらいわからなかったんだったらよかったって思ったんです。

中野:おーっ。

田中:田中みな実って知られなくてよかったって思ったんです。で、じゃあちょっとゴジラの試写に行くから。一応ね、今どういう感じなんだろうと思って調べたわけですね。で、レビューがたくさん出ていたからレビューを開いただけです。そこにものすごく自分を酷評するコメントがたくさん書かれていて。「田中みな実のせいで吹き替えが全部台無しだった」とか。田中みな実の声だけがハマってなかったとか、田中みな実が本当によくなかったっていう意見しかなかったんです。

中野:それ一人がいっぱい書いてるとかじゃなくて?

田中:じゃないと思います。

中野:アカウント変えたりして・・・

田中:賛否・・・じゃなくて、「否」だったんです。

中野:うーん・・・

田中:例えば10個褒められてる言葉の中に10個可愛いって言われてる中にさ、1個ブスって書かれてても私全然気になんないんです。変換ミスかなとか思っちゃうんですけど(笑)

中野:あはははは!

田中:でも・・・なんだけど、さすがに全部悪口というか、否定的なコメントっていうのが・・・しかも自分がなんとなく手応えがあった仕事でそうだったというのがおそらくショックだったんだと思うの。

中野:うん。

田中:自分が今いちよくわかんなかったなーみたいな仕事においてそう書かれる分にはきっと納得できたと思う。それはそうだよね、って。「私、あんまり上手くいってなかったもんな」って思えたんだけど。ここまで言われてしまうのかと思って。

中野:それは標的になったクサいね。本当に仕事評価されたっていうより、新しい仕事を楽しそうに・・・楽しそうにといういか、評価されるような形でやっているのが気にならないっていう人の意見のように思うよね。

田中:吹き替えになる前のエイザ・ゴンザレスさんの彼女のお芝居が割とローな感じ・・・令嬢の役で、一定のトーンでしゃべられる方だったんですね。

中野:うんうん。

田中:だからもちろんそれに合わせて、そのテンションに合わせてやったんですけど。それを確かに棒読みと取られても仕方がないのかなとも思う。でも私は原作を渡されていて、事前に。それを家で何度も見て。何度もその人の声のテンションとか、他の彼女のお芝居とかを見たりとかして。声のトーンみたいなものを探っていたんです。

中野:あー、そうかそうかー・・・見てる人はちゃんと見てると思うけどなぁー。

田中:そういう時にどういう風にパッと切り替えができるんだろう?っていうさ・・・

中野:これはですね・・・あんまりパッと切り替えようと思わない方がいいんですよね。傷ついちゃったところは・・・「あー、傷ついちゃって痛いねー」という自分の中に「ママみな実」を作って。ママみな実がみな実ちゃんを「痛いねー」ってやってあげるようにすると治りが早くなります、少し。

田中:一回認めちゃっていいんですね、その感情は。

中野:で、心の痛みっていうけれども、心の痛みも脳にとって傷なんですよね。

田中:へーっ。

中野:なので脳にとっての傷っていうのを癒すホルモンが必要じゃないですか、人間には。脳の体の一部だから。癒すホルモンはオキシトシンっていう物質がそれを担うんですけど。オキシトシンがあるとなしでは傷の治りは倍ぐらい違うので。自分でオキシトシンを出させてあげると。

田中:はい。

中野:で、そのためには自分の中にちょっと・・・例えば私だったら「ママ信子」を作って(笑)

田中:ふふ・・・(笑)

中野:「痛かったね」って言ってあげるっていう実感をちゃんと持つとといいですね。

田中:吹き替えとか二度とやりたくないなって。本当に・・・こんな風に「作品を傷つける」まで言われちゃうんだったら、他の人にとっても迷惑になるし、もう二度とやらない方がいいって思ったんだけど。今、現在公開中のものだから私も何とも言えないんだけど(笑)

中野:あははははは!

田中:でもこれを聞いて「じゃあちょっといっぺん見に行ってみようかな」って思う人がいたら、それはそれでいいと思っているの。

中野:うんうん。

田中:一回全部がイヤになってキーッ!とかなっちゃったんだけど。いやいやって思って。それで吹き替えのものをめちゃくちゃいっぱい見たんですよ。

中野:さすがだな・・・(笑)

田中:今度、おかしな方向・・・ディラン&キャサリンみたいな方になっちゃって(笑) 「ちょっとジェームス!何を考えているの!」をみたいな(笑) 「頭おかしくなりそうよ!」みたいな・・・(笑) そういうさ、そっち見ちゃったから今度。韓国の吹き替えもまた特殊でさ。

中野:はい(笑)

田中:「あーら、お隣さんまた引っ越したの?」みたいな。色んなパターンの吹き替えを聞いているうちに・・・なんかちょっと面白いぞこれって思ってきて(笑)

中野:想像すると面白すぎる・・・(笑)

田中:私は割とオキシトシンとか、ママみな実を作って「痛かったね~」って言うよりも・・・何クソ!って思えるタイプなのかもしれない。

中野:おーっ、それはそれで・・・いいね。

田中:それがある内は大丈夫なんだけど、それこそホルモンバランスなのか・・・ちょっとの隙間みたいな。闇に落ちている時にそれを見聞きしてしまったりとかすると・・・もう戻れないんだろうなって思っちゃうんですよ。

中野:あー、そっか・・・

田中:そこの深い闇に陥ってしまったら、きっともう這い上がることができないなってどこかで思ったりもする。

中野:でもそうね・・・ガッツで頑張れるのであれば、それはもう・・・傷ついたことが返って原動力になるタイプでもあるから。

田中:ふふ・・・(笑)

中野:ますますパワーアップした吹き替えを是非(笑)

田中:そうですね(笑) 何か機会があれば・・・是非。

中野:いい思い出で書き換えていくっていうのがみな実流かもしれないですね。

田中:そうね。成功体験を重ねることでしか自信は身につかないと思っているので。だから、ドラマのお仕事とかもやらせてもらってますけど。

中野:いいかもしれない。

田中:たくさんの経験を積むことで・・・最初のうちはご迷惑をお掛けすることもあると思いますが、そこはね。

中野:うん。

田中:でも「私、初心者なんで・・・」って気持ちではやってないから。そこだけは・・・

中野:さすがです(笑)

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