田中みな実 TBSを退社した理由とその後の仕事について語る。
2020年5月19日放送、TBSラジオ「伊集院光とらじおと」にて、田中みな実がTBSを退社した理由とその後の仕事について語っていた。
伊集院光:TBS入って何年でフリーになったの?
田中みな実:5年半勤めました。
伊集院:フリーになったきっかけは?
田中:きっかけは・・・うーん、色んなことをやらせていただいて、安定してきちゃったからっていう風に当時は言っていたし、それももちろんあるんですけど。でもよくよく考えれば・・・朝、大きな改編があったんですね。朝の月~金の時間帯。
伊集院:うん。
田中:で、そこで私はずっと帯番組をやりたいって言ってたからそこにキャスティングしてもらえるだろうと思ってたんです。5年目とかだし。
伊集院:うん。
田中:くるだろう、って思っていたら一切名前が挙がらなくて。まあ朝の顔じゃないっていうのもそうなんだけど、私このままずーっと今の感じのぶりっ子っていうお仕事を30までやって。それから需要がなくなってしまったらどうしようって思って。で、心配になって。だったらまだ余力があるうちにぶりっ子でもなんでもいいから外に出て、もしかしたら外の方が帯番組をやれるチャンスがあるかもしれないと思って。とにかく月~金の番組をやりたかったんですよね。
伊集院:うんうん。
田中:それで退社したっていうのが本当のところ。
伊集院:だからそれがさ、TBSに限らず各局が抱えてる問題でさ。アナウンサーさんってさ、未だに「女子アナ」っていわれるじゃん?女性のアナウンサーさんだったり、アナウンサーさんがただ性別が女性っていう形になかなかならなくて。
田中:うん。
伊集院:なんか、マスコット的なところに置かれることが多いじゃん?
田中:でも色んな考え方の方がいて。「女子アナじゃなくて女性アナウンサーです」っておっしゃる方もいるけれども、正直若手のうちは「女子アナ」っていうブランドみたいなものを私たちはその恩恵を受けていたりするから。
伊集院:うんうん。
田中:私なんてモロにそうで。女子アナとして活躍させてもらったし、女子アナだからキャスティングしてもらえた仕事もたくさんあったし。そこは差別的にあんまり感じていなくて。
伊集院:うん。
田中:いずれ必然的に女性アナウンサーとかキャスターっていう方向にならなきゃいけない過渡期を迎えることもあるかもしれないし。それまでは女子アナを存分に楽しんでいいじゃないかなっていう考えです。
伊集院:それこそ真正面から?(笑)
田中:はい。真正面から。
伊集院:「サンジャポ」(サンデージャポン)でうなずくたびに擬音を入れられても?(笑)
田中:キュッキュッっていうのと、まばたきするとピヨピヨピヨっていうね。
伊集院:それ楽しんで。これからの先のことを考えた時にフリーの方がおそらくやりやすいことややれることがあるっていう感じ?
田中:とにかく帯番組がやりたかったんです。
伊集院:そうなんだ。
田中:だからフリーになってからもアナウンサー以外のお仕事っていうのは基本的にお受けしない。例えば写真集だったりスタイルブックのお話が来てもやりませんってお断りしてたし。ドラマのお話がきても「いやいや、私はアナウンサーなんで」っていう・・・なんかアナウンサーっていうのにすごくこだわってしまっていて。辞めたのに。
伊集院:うん。
田中:辞めたからこそ、自分を確立するために「フリーアナウンサーの田中みな実」としてやっていかなきゃいけないっていう、そこも真正面に受け止めて自分で勝手にブランディングしようと思ってたんだと思うんです。
伊集院:うん。
田中:それが外れた途端に色んなお仕事が舞い込んできて、幅が広がってきて今、こうして「M(愛すべき人がいて)」っていうドラマにも出させていただいてるっていう感じなんです。
伊集院:まさにそこなんだけどさ。じゃあその「写真集、私やってもいいんじゃないか」って思うきっかけは?
田中:うーん・・・意外と他の人が「合ってるんじゃない?」とか「やってみたら?」って言うことをやってみたら、周囲の評価が変わったり、見る目が変わったり。いつもと違う自分になれる、って言うととても陳腐なんだけど。なんかそういう感じがしたんです。だから自分がいいと思ってる自分が必ずしも正解じゃないんだなっていうことをなんとなーく30過ぎて分かってきたなっていう感じです。
伊集院:早いわー・・・なんかね、ちょっと分かるの。俺ね、40代の後半ぐらいからね・・・ちょっと極端な言い方だけど、自分が今まで嫌いだったことの中からしか発見ないと思うようになって。
田中:そうです!本当にそうだと思います。
伊集院:ね。あれ何なんだろうね?
田中:何なんですかね?
伊集院:ある程度年齢いくとさ、お笑いとしてのある意味定年と女性アナウンサーとしての定年がちょっと違うのもあると思うんだけどね。セルフプロデュースみたいなのお笑い大切だし、まして一人でラジオやってるから。これは僕に向いてない、みたいなことってある。で、向いてることはこの性格だからとことん突き詰めるから、自分の好きなことってある程度わかっちゃうし。わからないってことがわかっちゃうから。あんまないよね、発見って。
田中:そうですね。私の場合は自分に飽きちゃったんだと思います。
伊集院:早い。その切り替えとかが早いのと、気付きが早いよ。それはすごいよ。
田中:でもたぶんそれは女性だから、早くしないとっていう焦燥感もあるんだと思います。
伊集院:定年っぽいことあるよね?
田中:そうそうそう。ありますよ。
伊集院:お笑いだったら何歳でもやってるけど、ってとこあるもんね。
田中:あると思います。需要も。